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フィリピンで34人が消えた——違法オンライン賭博「サボン」の闇

フィリピンの「オンラインサボン」問題をわかりやすく解説

2025年7月、フィリピン当局のダイバーたちが、
マニラから南へ車で2-3時間の場所にあるタール湖の湖底に潜りました。
目的は、行方不明になったサボン関係者たちの遺体捜索。きっかけは一人の内部告発者の証言でした。

Julie “Dondon” Patidongan(通称”Totoy”)と名乗るその人物は、「被害者たちは袋に入れられ、タール湖に沈められた」と主張しました。当局が捜索を開始すると、湖底からは袋に入った骨が次々と発見。8月下旬までに回収された骨片・遺骨断片は、401点にのぼると司法省(DOJ)が発表しています。

ただし、それが誰のものなのかは、まだ確定していません。

この事件の背景にあるのが、「オンラインサボン(e-sabong)」と呼ばれる違法なオンライン闘鶏賭博です。
2026年3月、マニラ市トンドで170人以上が一斉摘発されるニュースが報じられました。容疑は「オンラインサボン(e-sabong)」の運営です。

日本ではなじみの薄い話題ですが、フィリピンではこれが単なる賭博事件を超えた、根の深い問題になっています。

そもそも「サボン」とは?

サボン(Sabong)とは、フィリピンの伝統的な闘鶏文化のことです。スペイン植民地時代から続く歴史的な娯楽であり、地元の認可を受けた闘鶏場(コックピット)で試合が行われます。現在も法律の枠内であれば、日曜・祝日・地元の祭り期間などに開催が認められています。

フィリピンの伝統的な賭博「闘鶏」の様子
フィリピンの伝統的な賭博「闘鶏」の様子

サボン専門の人気テレビ番組があり、軍鶏の育て方や繁殖を解説する獣医師のテディー・タンチャンコ氏のような著名人を生むほど、フィリピン社会に深く根付いた文化です。

「オンラインサボン(e-sabong)」は何が違うのか?

問題になっているのは、この伝統的な闘鶏をインターネットでライブ配信し、会場の外にいる人がスマートフォンなどから賭けられるようにした仕組みです。

かつてはフィリピンの規制機関PAGCORがライセンスを発行し、一時は制度の中に組み込まれていました。
しかし2022年、大統領令(EO No. 9)によってe-sabong は全国的に停止されました。理由は社会的な被害の大きさです。

禁止の主な理由はおよそ3つあります。

① 依存性の問題

会場に足を運ぶ従来のサボンとは違い、e-sabong はスマホがあれば24時間いつでも賭けられます。

1試合はわずか2〜5分で終わり、次の試合がすぐに始まる構造になっているため、歯止めが利きにくいのが特徴です。

パンデミック中の外出規制をきっかけに急拡大し、ピーク時には1日の賭け総額が約30億ペソ(当時のレートで約60億円相当)にのぼったとも報じられています。

当局が問題視するのは数字だけではありません。4ヶ月分の給料をわずか数週間で失った賭け客の証言、借金返済のために生後8ヶ月の我が子を売った母親が2024年に有罪判決を受けた事件、ギャンブル依存による自殺が複数の地域で報告されたケースなど、生活を根こそぎ奪う被害が相次ぎました。

② 組織犯罪との結びつき

表向きはオンラインサービスでも、裏側では撮影・配信スタジオ・資金提供者・試合の仲介者が一体となった、かなり組織的なネットワークが動いています。当局はサイトをブロックするだけでは追いつかず、物理的な現場を摘発しなければ止まらないと説明しています。

さらに深刻なのが、警察や政府関係者との癒着です。上院の調査では、e-sabong の巨大な利権が立法府・司法府・行政府の高官を腐敗させたと指摘されています。違法な運営が長期間続けられた背景には、こうした「保護」の存在があったとみられています。

③「消えたサボン関係者」事件

2021年4月〜2022年1月にかけて、サボン関係者とされる少なくとも34人がルソン島各地で相次いで失踪しました。試合の不正・八百長への報復が背景にあるとみられており、証言によれば被害者は砂袋と一緒に縛られ、マニラ南方約65kmにあるタール湖に沈められたとされています。

2025年6月、内部告発者のJulie “Dondon” Patidongan(通称”Totoy”)がテレビのインタビューで詳細を証言したことで事件が再燃。当局が本格的な湖底捜索に乗り出し、同年8月末までに401点の骨片・遺骨断片が回収されたと司法省(DOJ)が発表しました。Patidonganはさらに「実際の被害者数は100人を超える可能性がある」とも主張しています。

捜査では、警察官を含む約30人が関与したとされており、当時15名の警察官が職務制限下に置かれました。2026年1月にはラグナ州の裁判所が逮捕状を発付しましたが、2026年3月時点でも全容の解明には至っておらず、今も捜査が続いています。

合法な「オンラインカジノ」とは何が違うのか?

フィリピンではオンラインカジノやスポーツベッティングは今も合法です。PAGCORの管理下でライセンス制度が機能しており、現在も規制を強化しながら運営が続いています。

つまり、「オンラインだから違法」なのではありません。違いを整理するとこうなります。

  • オンラインカジノ・スポーツベッティング → PAGCORが管理しながら運営を認めている
  • e-sabong → 一度は制度に組み込んだが、社会的被害が大きすぎるとして特別に停止された

合法なオンラインカジノが「管理できる」とされる理由のひとつは、運営の透明性です

ライセンスを持つ事業者はPAGCORへの報告義務を負い、本人確認(KYC)や未成年排除、自己排除ツールの導入なども義務付けられています。e-sabongのように物理的な闘鶏場・配信拠点・地下の賭けネットワークが複雑に絡み合う構造とは、根本的に異なります。

もちろん、合法であっても賭博である以上、依存リスクはゼロではありません。利用する際は予算を決めて楽しむことが大前提です。

今回のトンドの摘発は何が問題だったのか?

報道によれば、摘発現場はコロシアムを使った「24時間体制のオンライン闘鶏運営」だったとされます。拘束された170人超の中には、賭け客だけでなく、鶏の担当者・賭けを受ける係・審判役まで含まれていたといいます。

単に人が集まって遊んでいたのではなく、コロシアムを配信スタジオ兼賭博拠点として使っていた疑いがかけられています。これは大統領令が停止しているe-sabongの典型的なパターンに当たります。

まとめ

フィリピン政府はe-sabongを最初から「悪」として排除したわけではありません。一度は制度に取り込み、税収源として活用しようとした経緯があります。しかし依存による生活破壊、組織犯罪との癒着、そして34人以上が消えた未解決事件——これだけの問題が重なった結果が、現在の全国停止です。

今回のトンド摘発は、その禁止令が今も機能していることを示す一例に過ぎません。missing sabungeros 事件の全容解明はまだ途上にあり、今後も注視が必要な分野です。

合法なオンラインカジノについて詳しく知りたい方へ

本記事で取り上げた e-sabong はフィリピンで停止中の違法な賭博です。
通常は、違法に運営をしていない、ライセンスが発行されているをオンラインカジノを選ぶことが重要です。

どのようなサービスがあるか気になる方は、まず入金不要ボーナスから試してみるのもひとつの選択肢です。

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